謎のロボット・スタートアップ、Robust AI がビデオを公開

ロドニー・ブルックスやヘンリク・クリステンセンなど、ロボット界の数々の大御所が関わり、元はアンディ・ルービンが設立したベンチャーキャピタルPlayground Globalから資金を受けているRobust AI(ロバストAI)が、ついに製品のビデオをフルに公開した。今年6月にも一部見せていたが、今回のビデオではより詳しくわかる。

Robust AIのビデオ

このビデオと関連記事からわかるのは次のようなポイントだ。

記事は、6〜7月に掲載されたもの(IEEE SpectrumThe Robot ReportThe Wiredワイヤード日本版)を参考にした。

同社が開発していたのは、何と倉庫ロボットだった。世間では何でも掴めるアームではないかなどの噂が飛び交っていたが、堅実な市場に高度な機能性で挑む、という感じか。現在よく呼ばれるAMR(自律走行搬送ロボット)ならぬ、「CMR(協調型自律走行搬送ロボット)」であることを強調している。人間のニーズをより理解し、まるで一緒にダンスを踊るように働く、らしい。

  • 製品は、ハードウェア(コンセプト)のCarter(カーター)とソフトウェアのGrace(グレース)。
  • 倉庫の内部は、タブレットやスマホのスキャンで取り込むだけでVSLAMモデルが生成され、カーターが走行する場所をすぐに指定できる。ロボットを連れ回して、マッピングする必要がない。
  • ハンドルを握るとマニュアルモードに変わり、カートとしても利用できる。これまでのAMRは、止めるためには前に立ちはだかるしかなかった。
  • 利用ケースをクラウドで共有し、複数のカーターが学習する。
  • カーターにはLidarはないが、16台のカメラが搭載されており、それぞれでニューラル・プロセサーがモデルを走らせている。そのため送られるデータは、セマンティック情報と座標だけとなる。
  • 自律走行中は、単に「障害物」ではなく、人、パレット、梯子などを識別する。人の体勢によって、何をしているかも推測する。
  • 倉庫の他にも工場に対応する。
  • アマゾンの倉庫のような大規模で構造化された空間、あるいはやることが一定のほどほどに構造化された空間ではなく、まったく自動化の進んでいない現場での導入に利点がある。
  • 都市部に増えている1〜5万平方フィート(約1000〜5000平米)までのマイクロ倉庫を狙っている。

リリースによると、同社にはさらにアマゾンEchoで開発に関わった人、有名なHRI研究者などが関わっているようだ。

今回のビデオでは、これまでのAMRは障害物を避けるとは言え、作業員にはお構いなしに自律走行して、危なかったり気が利かなかったりすると伝えている。その辺りを細やかに改善できるということだろうか。期待しよう。

Tags:

Comments are closed.


Copyright © robonews.net