見た目でびっくり。DARPAロボティクス・チャレンジに挑戦するNASA JSCのバルカリーがお目見え
DARPAロボティクス・チャレンジにトラックAから参加するNASAジョンソン宇宙センター(JSC)のロボット、ヴァルカリー(Valkyrie)は、これまでイラストでしか紹介されていなかったのだが、やっとお目見えした。『IEEEスペクトラム』が詳細な紹介記事を掲載している。
これによると、ヴァルカリーは身長1.9メートル、体重125キロ、44軸の、バッテリーを動力とするヒューマノイド・ロボットだ。NASA JSC とテキサス大学、テキサスA&M大学が協力して作り上げたもので、テキサス州から開発補助金を受けている。
見た目は、ロボティクス・チャレンジの他のどのロボットよりもヒューマノイド的で、SF映画に出てくるロボット、そのままだ。構成は以下。
腕は7軸で手首と手にアクチュエーターが統合され、親指と3本の指がある。頭は回転したり傾いたりする。ウェストも回転し、脚は6軸で、足部分は6軸のフォーストルク・センサーがついている。
バッテリーは背中部分に搭載され、1時間もつという。電池の交換もさることながら、アームの交換も数分で済ませられるように設計されており、左右のアームは相互に交換可能という。ロボティクス・チャレンジでは、ロボットが破損する可能性も高く、この交換可能性は便利だと『IEEEスペクトラム』は評価している。
その他搭載されているセンサーは、頭部のカメラとLIDAR、腹部にカメラとソナー、前腕と膝、足にもカメラが統合されている。
NASA JSCは、過去15年に渡ってロボノート(Robonaut)という上半身だけのロボットを開発して、現在国際宇宙ステーションに送っており、このバルカリーの開発にはその知識が役立ったという。ただし、脚を持つヴァルカリーはそこからさらに開発を重ねた結果という。
ヴァルカリーは他のロボットと異なって、「服」を着ているのもユニーク。この服のために、特別のチームを作り機能的な外衣をデザインしたという。服は、ロボットを人間の近くにいてもソフトなものとして感じさせると共に、転倒した際の衝撃から機械部分を護るためという。
このすごい外見は「スーパーヒーロー」にふさわしいと、NASA JSCは自信に満ちているようだ。