ロボットの心が見えるバーチャル・リアリティー
ロボットがどう動こうとしているのかを、人間にわかるようビジュアライズしたらどうなるか。そんなシステムをMITの研究者たちがつくった。同大学が伝えている。
開発したのは、同大学の航空宇宙制御ラボ(ACL)。天井に取り付けたプロジェクターとモーション・キャプチャ・システム、そしてアニメーション・ソフトウェアで構成されている。それによって、ロボットが何を認識しているのかをリアルタイムでビジュアライズする。研究者たちは、このシステムを「計測化バーチャル・リアリティー(MVR)」と名付けている。
このシステムを利用すれば、ルンバのようなロボットが歩く人をよけて最適ルートを選ぶ様子などが視覚化されるが、同時にアルゴリズムの問題が顕在化してすぐ改訂できるため、ハードウェアのプロトタイプをテストする際に役立つことがわかったという。これまで、別々だった物理的なモノとバーチャルなシミュレーション環境が、このMVRでは合体されるわけだ。
このシステムを推し進めていけば、山火事を認識するドローンの学習にも使えるという。実際のランドスケープを上空から捉えた画像を、その上を飛ぶドローンの視点で投影。火事を重ねて投影して、ドローンがその画像を記録することで、特に延焼しやすい山火事など認識するための学習材料となるという。現実世界でのテストには及ばないものの、ドローン飛行が制限されているような状況では、ある程度のテストを実施するのに有効という。
下のビデオでは、実際のドローンとバーチャルなドローンが同時に視覚化され、そのバッテリーの状況なども表示される方法も見せている。また、複数のロボットの間での通信も視覚化でき、別のロボットにタスクが指令される様子も見られる。