映画『エックス・マキナ』はどれだけ真実に近いか
AI関係の映画がまたひとつ。イギリス映画の『エックス・マキナ』だ。
この映画で科学アドバイザーを務めた遺伝子学者のアダム・ルーサーフォード氏が、映画に登場するAIである女性ロボットの「アヴァ」にどれだけ真実みがあるかを、『テレグラフ』紙で論じている。
物語は、インターネット・ビリオネアが新しいロボットを作り、その限界を試すために自社の社員を実験に使うという流れ。詳細は分からないが、同氏によると3者共にハッピー・エンディングには終わらないのだそうだ。
アヴァの意識は、そのビリオネアが経営するインターネット検索会社のデータによって作られている。インターネット関連会社が集めるデータは、今や個々人を露呈させ、一般的に人とはどんなものかを物語るほどになっている。
一方、ロボットのかたちの方は、映画に出てくるようになるまではまだまだ時間がかかるが、ボストン・ダイナミクス社のチータやビッグ・ドッグのように恐るべき力と機能を発揮するものもあると、同氏は指摘。
興味深いのは、このインターネット・ビリオネアの検索会社はグーグルに似ているという点だとルーサーフォード氏は言う。そしてグーグルは、AIとロボット両方に多大なる関心を示し、ディープ・マインド社や数々のロボット会社を買収した。
科学もイノベーションも自由な環境の中で発展するものだが、「まさかグーグルがアヴァみたいなものを作ろうとしていると考えるのは、陰謀論もちょっとファンタジーが過ぎる」と同氏は語っている。
ただ、最後に「それとも、私が違っていますかね?」と読者に投げかけているところが、現在の混乱を映し出しているのである。
下はオフィシャル・トレーラー。