フェッチ・ロボティクス社誕生。元アンバウンデッド・ロボティクス社のメンバーがコアに。
可愛いモバイル・マニピュレーターのUBR-1を発表しながら会社が閉鎖されたアンバウンデッド・ロボティクス社のメンバーが中心となって、新しいロボット会社が生まれた。フェッチ・ロボティクス社だ。
同社は、昨年からスティルス・モードで開発を進めていたようだが、ついに表に登場。しかも、300万ドルの投資資金をすでに受けている。投資を行ったのは、シャスタ・ベンチャーズとオライリー・アルファテック・ベンチャーズだ。後者は、テクノロジーの出版と会議開催を行うオライリー・メディアの創設者ティム・オライリーが関わっている。
フェッチ・ロボティクス社のCEOはメロニー・ワイズ。アンバウンデッド・ロボティクス社の前は、ウィロー・ガレージに6年在籍した。CTOのマイケル・ファーガソン、リード・システムズ・エンジニアのデレク・キング、リード・メカニカル・エンジニアのエリック・ディーアらも、ウィロー・ガレージからアンバウンデッド・ロボティクス社へ移った面々。メンバーには、ウィロー・ガレージのOBもチラホラ見受けられる。
プレス・リリースによると、ロボットは今年の第2四半期に発売されるようで、ロジスティクスと軽工業のための製品となるようだ。「フェッチ」とは「取ってくる」という意味。可動式でアームやハンドがついていると想像できる。
『IEEEスペクトラム』がさっそく、CEOのワイズに簡単なインタビューを行っている。その内容をまとめると以下だ:
・開発しているロボットは2つ。モバイル・マニピュレーターとモバイル・ベース。それらは一緒に機能する。ロジスティクス市場で注文作業を遂行するロボットになる。それ以上の詳細についてはノーコメント。
・現在も新しい人材を求めている。現在の社員は10人だが、半年後には2倍になっているはず。
・研究用のロボットも発売する。詳細については、コンタクトされたい。ロボットの出荷は2015年第2四半期中。シアトルで開催されるICRAに研究用ロボットを展示する予定。
・すべてのモバイル・マニピュレーターはUBR-1に似ているという意味で、新しいロボットもUBR-1に類似点がある。モバイル・ベースと1〜2本のアーム、センサーで構成される。
・価格は未定だが、数万ドルのレベル。数10万ドルではない。
・チームは似ているが、フェッチとアンバウンデッド、あるいはウィロー・ガレージとの間には何も関連はない。またアンバウンデッドのIPも持っていない。まったく新しいIPだ。
・フェッチ・ロボティクスはもともとFYSシステムズ社として創設された。FYSは「Fetch Your Stuff」の略で、創設したのはテックRxというインキュベーターを運営するスティーブ・ホーガン。ロボット市場を目指す会社を作ろうとしていて、人材募集をしていた。アンバウンデッドのメンバーは何かやることがないかと探していたので、応募。このような成り行きになった。
また、同誌は投資を行ったシャスタ・ベンチャーズのロブ・コニービアーからもコメントを得ている。ポイントは以下:
・コア・メンバーと市場にかけた。また、ロボットは今転換点にあり、アクチュエーターやプロセッサー、マシーン・ビジョンによって人の近くで作業できるなど、おもしろいことができるようになった。フェッチは、業界での課題を特定し、それに添って開発を進めている。
・フェッチはエンタープライズ用のロボットを開発しており、早期エグジットは期待していない。かなりの数のロボット会社が買収されたため、経験と才能のあるロボット開発者はあまり残されていない。われわれは大きなビジネスに育てようとする人材に関心を持っており、メロニーらコア・メンバーはまさに自分たちのライフワークになるようなものを作りたいと思っている。
・フェッチはゼロからスタートした会社で、他企業のレガシーやIPを持っていない。
さて、どんなロボットが出てくるか。楽しみである。