アップデートされているロボット会社のビデオ5選

ロボット会社のビデオが古いものからアップデートされているのを見つけると、「技術が進んだのだな」とか「洗練されたマーケティングを行う時期になっているのだな」ということがわかる。

最近アップデートされたロボット会社のビデオをいくつか選んだ。

自走バンと小型自走配送車の組み合わせで,ラストマイルも難なく配達? (https://www.starship.xyz/ より)

新しいタイプの倉庫ロボット

まずは、倉庫ロボットを開発するローカス・ロボティクス(Locus Robotics)社

同社はクワイエット・ロジスティクス(Quiet Logistics)社という倉庫およびロジスティクス会社から生まれた。アパレル・メーカーを中心に倉庫保管と発送作業を請け負う同社は、実はキヴァ・システムズ社(現在アマゾン・ロボティクス社)の初期ユーザーだった。ところが、キヴァがアマゾンに買収された後は継続的にシステムが使えなくなり、否応なしに別の倉庫ロボットを導入する必要に迫られた。

当初は、既存のロボットを利用しようとしていたものの満足できる製品が見つからず、ついに自分たちで開発に至ったというのがストーリーだ。何と言っても同社は倉庫ビジネスを長年やってきた経験から、倉庫のピッキング作業のために最も使いやすい理想のロボットとシステムを知っていた点がユニークだろう。

商品がロボットに載せられてパッキング作業員の手元にやってくるキヴァの方法と異なって、ローカス・ロボティクス社のアプローチは、ロボットと作業員がコラボするという感じだ。ピッキング作業員は自分が分担するエリアに留まり、カゴを積んだロボットはそこへやってくる。ロボットが停止する時はピックされる商品の方向を向いており、それとスクリーンに表示された商品情報や写真などを照合して商品をピックするというものだ。倉庫の随所にはバーコードが貼られており、ロボットがナビゲートしやすくなっている。

現実的になったソフト・ロボティクス社のグリッパー

プラスティックの蛇腹を用いたグリッパーで、多様な形状やサイズのモノをつかむことができるソフト・ロボティクス(Soft Robotics)社もビデオをアップデートしている。少し前までは、いかにもオフィスで実験しているというビデオが2、3あっただけだが、食品工場などより現場に近い状況での使い方を見せている。

https://www.youtube.com/watch?v=o8DoSvv4P3w&feature=youtu.be

目標は高い!

そして出荷が待たれるジーボだが、開発中のビデオは刻々とアップデートされている。たとえば下のビデオは、「オリンピックではどんな競技が好き?」と聞くと、身体の動きで答える(重量投げ、重量挙げとテニス?)という技を見せている。動きも凝っていて、やはり高度な完成度を求めているのだなあと感じられる。

https://www.youtube.com/watch?v=2hZ1Q8X1aP4

その他にも、話している相手の方へ向き直る様が楽しいビデオ、ピザを注文する際に誰が食べるのかを聞いたり,アレルギーがあることを伝えたりする様子を見せるビデオなどもある。画面の一つ目と身体の動きでかなりのコミュニケーションが達成できるのがわかる上、家族のためのロボットを目指しているのもよく伝わってくる。

ソイヤーの活躍ぶり

ビデオを頻繁にアップデートするのは、リシンク・ロボティクス(Rethink Robotics)社も同じだ。最近は、バクスターよりも1本アームのソイヤーのビデオが多く、実際に導入されている現場の様子を見ることができる。

下は、中国のエネルギー関連の計測メーターを製造する威胜集团(Wasion Goup)での様子。何台も導入されており、人間の作業員の目の前で流れをサポートしているのがわかる。

その他にも、2015年に上げられているビデオだが、家具メーカー大手のスティールケースでの製造現場では、種類の異なった部材を組み合わせるという難しいタスクにも臨んでいる。あとは、昨年の年末ご挨拶ビデオが社内の様子を伝えている。人間は静止し、動いているのはロボットだけ!

空母スタイルでラスト・マイルの配達を達成

最後は、先頃1720万ドルの創業資金を受けたことが話題になったスターシップ・テクノロジーズ(Starship Technologies)社。ロジスティクスのラストマイル、つまり地元の配送センターから一般消費者の自宅やオフィスまで食べ物やオンライン・ショッピングの商品を小型自走車で運ぶことを目的としたロボットである。

今回の投資は、ダイムラーシャスタ・ベンチャーズグリシン・ロボティクスなどが関わっているが、下のビデオを見て合点がいった。ダイムラーの自走バンが空母になって、その中からスターシップのロボットが出てくるというしくみだ。ロボットは各方向へ散っていき、配達が終わったらまたここへ戻る。よく未来のロボット構想で出てくるタイプのシナリオだが、こうして見せられるともう実現はそこまで来ていると感じる。

CES 2017でデモされた様子はここに。メルセデスの自走バンも見られる。

スターシップ・テクノロジーズ社はスカイプの2人の創業者が2014年に設立した会社で、ロンドンとエストニアに拠点を置いている。昨年から欧米各都市で走行実験を行っており、シリコンバレーでも昨夏パロアルトで記録されたビデオがある。ロボット関係者には、こちらの方がおもしろいだろう。ロンドンではすでに実用化されている。このビデオで、出前専門業者が使っている様子がわかる。

ロボニュースは昨年、スターシップに話を聞いた。それによると、ラストマイル配達のためにはベッドタウンのような住宅地を選び、数キロ圏ごとに配送ハブを設けるということだった。だが、このように自走バンがハブの役割をしてくれれば、ハブのための建物も不要だ。同社のロボットにはあらかじめ地域の地図を記憶させ、また交差点のような難しい状況では人間オペレーターが遠隔でモニターするようだ。

ベルセデスの「バンとロボット」構想では、8台のロボットが搭載される。それが最高54個の荷物を届けるよう設計されている。荷物をロボットに搭載するのも自動化される。荷物の最大重量は10キロとのこと。バンは、配達先地域(半径2キロ)の最適なスポットで駐車して、ロボットを送り出すしくみだ。

メルセデス側のビデオはここに。

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