ヴェスパのメーカーから、荷物運びの車輪型ロボット
ヴェスパで知られるイタリアの二輪車メーカー、ピアッジオ・グループ社が車輪型ロボット「ジータ(Gita)」を開発した。ラストマイル配送にも使えるロボットが、またひとつ増えた。
ジータは、イタリア語で「短い旅」のことを指すそうだ。「ちょっとそこまで」といった感だろうか。
ピアッジオ・グループ社は130年前に創設された会社だが、ボストンに新しくピアッジョ・ファスト・フォーワード(PFF)社を創設し、ジータの開発に臨んできた。CEO(最高経営責任者)についたジェフリー・シュナップ氏は、イタリア文学の教授でスタンフォード大学でも教鞭をとり、同時にテクノロジーについても詳しい。ハーバード大学のmetaLABの創設者、インターネットと社会のためのセンターの共同ディレクターも務める。またバイカーでもある。
PFFには、さらにユニークな顔ぶれが関わっており、チーフ・クリエイティブ・オフィサーにはロサンゼルスの建築家グレッグ・リン氏があたる。また、アドバイザーにはMIT メディアラボ創設者のニコラス・ネグロポンティ氏、グーグル(現アルファベット)に買収されたロボット会社のボット&ドリー社、および制作会社のオートファス社を創設したジェフ・リネル氏などがいる。
ジータは高さ26インチ(66センチ)で、最速時速22マイル(35.4キロ)で走行可能。運べる荷物は40ポンド(18キロ)まで。方向転換のスペースも不要だ。屋外、屋内両方で利用できる。
『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ )』の記事によると、ジータは人の後をついて走行するが、いったんマップを覚えると自走も可能になり、目的地に到達した後に出発地点まで戻れるという。いずれ何台も連なってマップを共有しながら連隊のように走行することも計画中だ。
利用方法としては、郵便の配達である地点まで車で運転、そこから先は複数のジータが手紙を届けるといったものが考えられる。加えて、ビルのメンテナンス係員がジータに重い工具を運ばせて、ビルの中を歩いて回るといったことも構想されている。
ジータが正式に発表されるのは、米時間2月2日。まずはB2Bのパイロット・プログラムから取りかかり、いずれ一般消費者向けの利用をにらんでいるという。
プレスリリースはここに。下のビデオは、走行をジータからの目線でとらえたもの。