病気の生徒に代わって登校するロボットの話
テキサス州の地元雑誌『ダラス・オブザーバー』に、病気で登校できない16歳の少年に代わって、テレプレゼンス・ロボットが授業に出ているというニュースが伝えられている。
この少年リンドン・バティ君は、生まれた時から重い腎臓病を煩い、毎日10時間もの透析を行う必要がある。病状が悪化して、ヘリコプターで病院まで運ばれることもしばしばだ。
そのリンドン君がテレプレゼンス・ロボットに出会ったのは、偶然だった。アイロボット社出身の起業家2人が創設したVGoコミュニケーションズ社が新製品をテストしてくれるユーザーを探していたところ、地域のセールスマンを通してコンタクトしたのが、人口1300人の小さなノックス・シティの市立高校にITサービスを提供する会社の社員だったのだ。テクノロジー・ギークなその社員は、地元の高校に通学できない生徒がいると伝え、そこからリンドン君のテレプレゼンス通学が始まったのである。
記事では、遅刻した時に、リンドン君のロボットがどうやってドアに衝突してノックし、閉まった扉を開いてもらうかとか、リンドン君のおしゃべりで朗らかな性格がテレプレゼンス通学にも合っていたといったことにも触れている。
記事によるとVGoコミュニケーション社のロボットは現在、全米の30校に配置されているという。重症アレルギーの生徒や免疫不全の生徒など、普通に登校できない生徒に利用されているという。
テレプレゼンス・ロボットはこういう風にも使えるのだったと、深く納得した。