DARPAロボティクス・チャレンジ第1日。現在リードするのは、やっぱりシャフト
DARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)第1日は、午前7時からの開会式でオープンした。
かつての飛行機技術と同じように、ロボットも今は未熟な技術に見えるかもしれないが、「これは新しい時代の始まりだ」というDARPAプログラム・マネージャー、ギル・プラット氏のことばに、参加者は大いに鼓舞されたようだった。
その後、8時から夕方4時過ぎまでロボットたちのタスクがみっちりと組まれている。ランチ休憩もなし。
1チームあたりひとつのタスクをこなすのに30分がかけられていて、その中でタスクを完遂すると最高4点まで獲得できる。もし8つのタスクをすべて満点でこなすと32点となるが、それほどことは簡単ではないようだった。
注目のシャフトのロボットS−1すら、最初となった「ドアを開く」のタスクで2つのドアしか開けなかった。比較的簡単なタスクだったはずなのに。つい最近になってかっこいい姿でお目見えしたNASAジョンソン宇宙センターのヴァルカリーは、1日目が終了した時点で0点。韓国のKAISTチームも始まる前は自信に満ちていたが、ロボットはヘタってばかりいた。また、カイロス・オートノミのカイロンはロボットの状態が悪く、1日目は欠場した。
ところで、ヴァルカリーは女性の名前なのだそう。そう言われてみて見ると、そんな感じがしないでもない。明日も0点だったら、カッコはいいけれど、タスクの嫌いな女子ロボットのレッテルを貼られてしまいそうだ。
何よりもロボットたちの動きが遅い。プラット氏は、「われわれのロボットのイメージはSFに毒されている」と語って、メディア関係者にあらかじめ注意を促していたが、なるほど遅い。ほとんどは止まっていて、時々微動するというロボットを見つめているのは、なかなかに忍耐を要することだった。
第1日が終わったところでの得点は、1位からシャフト(18点)、MIT(12点)、チーム・トラックラボ(9点)、チーム・トア(6点)、チーム・ヴィガー(6点)WRECS(6点)など(以下の表を参照)。
上位にランクされているロボットは、シャフトを除いてアトラスを提供されたチームばかりであることは興味深い。それだけロボットのハードウェアを作るのは難しいということであり、またそれだけボストン・ダイナミックスのアトラスの出来がいいということでもあるだろう。
ただし、本日参戦した15チームのロボットは、こなしたタスクの数も種類も異なっているので、得点の数字だけを単純に比較することはできない。明日、ドンデン返しが起こる可能性もあるのだ。2日目も同じハードなスケジュールで、ロボットたちにタスクが課されることになっている。