老後はロボットと生活しているか?

『テクノロジー・レビュー』誌が、ロボット会社が少しずつ介護への関心を高めていることを伝えている。ロボットがより安全に、そして賢くなってきたことで、今後需要が増す高齢者層の市場が照準に入ってきたのだ。

94歳の高齢者宅で動き回るテレプレゼンス・ロボット。GiraffPlusプロジェクトによるもの。(http://www.lifeinitaly.com/より)

イタリアの94歳の高齢者宅で動き回るテレプレゼンス・ロボット。ジラフプラス(GiraffPlus)プロジェクトによるもの。(http://www.lifeinitaly.com/より)

 

記事では、EUの補助金によって、イタリア、スペイン、スウェーデンなどでは高齢者の住宅にセンサーを設置して住人の活動をモニターするプロジェクトや、テレプレゼンス・ロボットが高齢者を訪問するプロジェクトが進行中であることを伝えている。また、日本発の癒しロボット「パロ」も、ヨーロッパ、日本、アメリカで利用されていることに触れている。

アイロボット社CEOのコリン・アングル氏は、同社が長年にわたって家庭で使われるロボットを考えてきたため、そうしたロボットを開発するにはいいポジションにいると語ったという。「お掃除ロボットのルンバは、自分の生活環境を管理しているという感覚を提供することで、もっとも成功した高齢者用ロボットと言える」と同氏は言う。

同記事によると、ユニバーサル・ロボッツ社製のアームを使って、高齢者のシャワーロボットも考案されているようだ。このビデオを上げているのは、ノルウェイのロボット関係機器会社メクトロン社の模様。

SRIロボティクス・グループのリッチ・マホーニー氏も、「皿を洗う、洗濯物を畳む、バスルームを掃除するなど機会は無数にある。そして、想像するより早くロボットはそんな仕事をしているだろう」と語っている。

同誌でも触れているが、先だっての『ロボビジネス2014』会議のプレス会議でもそのことが少しだけだが話題になった。何でも、家族や親戚が高齢者施設の入所者を訪ねる回数は平均して年に1回という。ロボットが高齢者の相手をするのは冷たすぎるのではないかという意見に対して、「現状がすでにひどいので、それを向上させることは確か」、「ロボットは人に代わるのではなく、補完する」という意見が登壇者からは出た。

上述のアングル氏は、かつて爆発的に売れたぬいぐるみオモチャのファービーは、50%の購入者が自分のために買った大人だったと指摘した。「ぬいぐるみ的なもので、コンピュータによる豊かなインタラクションのあるロボット」に可能性はあると述べていた。

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