2014年たまっていたイベント・レポートまとめ<その4>『ソリッドコン(SolidCon)』

今年たまってしまったイベント・レポートのまとめをお送りする第4回。5月にサンフランシスコで開催された『ソリッドコン(SolidCon)』についてお伝えしよう。

ソリッドコンは、オライリー・メディアが開催した新しい会議。いわゆるIoT(インターネット・オブ・シングズ)と企業レベルのメイカー的開発、ロボットなどを混ぜ合わせた内容で、今年開かれたイベントの中でも最もおもしろかったもののひとつだ。

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リシンク・ロボティクス社の創業者兼会長兼CTOのロドニー・ブルックス氏

メイン会場のトークと分科会のトーク、そして展示とかなり盛りだくさん。2015年も開催される予定なので、ご関心のある向きはぜひ予定に入れられるといいと思う。

壇上では、リシンク・ロボティクス社のロドニー・ブルックス氏も講演。ロボットはソフトウェアによってどんどん性能を上げていく時代になっていることを強調した。同氏が考えるロボットのリサーチ分野は4つに分かれているという。

・画像認識(見たもののカテゴリーが認識できる2歳児程度の能力を目指す)

・言語能力(騒音の中でも聞き分けられるくらい。4歳児程度の能力)

・手先の器用さ(6歳児程度の能力)

・社会的な理解力(相手が誰か、何を知っているかに基づいて行動する8歳児程度の能力)

また、人気のリトルビッツ社創業者兼CEOのアヤ・ブデア氏は、「これまでのハードウェア製品はメーカーの専門家が作ってきて、誰も使わないような理解不能な機能もたくさん搭載されている。だいたい、すべてのデバイスがコンピュータになる必要はなく、ちょっとしたコンピュテーションと低レベルのセンサーだけでいい場合もある。これから必要なのは、ハードウェアの民主化」と語った。

リトルビッツ社の製品を使って、ある会社のトイレの空き室情報がオフィスの中でわかるシステムを作ったおもしろい例などがプレゼンテーションされた。

ソフト・ロボットを開発するアザーラボ社創業者のソール・グリフィス氏は、ソフト・ロボットの実例を数々プレゼンテーションした。その中には、太陽の方向に合わせて向きを変えるソーラーパネルへの利用例もあった。

以下、会場での展示の一部をご紹介しよう。

下はマカニ・パワー社のドローンで、同社も実は上記のグリフィス氏が創業した会社。グーグルに買収されている。このドローンは空中で風力発電を行うウィンドタービンで、新しい発電方法として注目を集めている。

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おなじみのボストン・ダイナミクス社ボット&ドリー社(いずれもグーグルに買収されたロボット会社)、そしてリシンク・ロボティクス社のバクスターも展示。

リトルビッツ社の展示も人気。

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ウェアラブルをモデュール化するシード・スタジオ社もひとだかりがしていた展示のひとつ。

モデュール・ロボット開発のモッドボット社。産業ロボットを誰にでも作りやすくする、という。

 

ワンウィール社の新しい乗り物は、ボード版のセグウェイのようなもの。自動的にバランスをとり、また直観的に前後へ走らせることができる。

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タクティア社は、コンピュータがオーグメントするCNCツールを開発中。この溝カンナは、おおまかなところを人間が、細かな部分はコンピュータが取って代わるというしくみの道具。高度なもの作りも安価にできるようにすることが同社の目標という。

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こんなものもロボットという名前がついていた。帰宅時間に合わせて、食事を暖めてくれる。いいレシピがあれば、けっこう助かるかも。

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そして、ここはシリコンバレー・ロボティクスのコーナー。以前ご紹介したスタートアップ・コンペティション『ロボット・ローンチ2014』で3位までに入賞したチームがソリッドコンに招かれた。これは、壁を上るダンデメック・エンジニアリング社のロボット。

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他の入賞者のリストは、ここに。

 

 

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