アマゾンが起こした倉庫ロボット競争
最近は、倉庫ロボットや屋内搬送ロボットの開発が目立つ。『ブルームバーグ』がそんなロボット競争は、アマゾンが起こしたという記事を掲載している。
周知の通り、アマゾンは配送センター用のロボットとシステムを開発したキヴァ・システム社(現在はアマゾン・ロボティクスと改名)を、2012年に7億7500万ドルで買収している。その後、アマゾンは、契約期間の残っている顧客以外への販売を打ち切り、同社でこの技術を独占、他社と大きく差をつけた。
配送センター1カ所あたり、このロボット導入によるコスト削減は20%になるという。何よりも、あっという間に配達されるアマゾンの注文のスピーディーさは、ロボットの力に依るところが大きい。
しかし、ウォルマート、ターゲット、メイシーズなど、遅れをとって歯ぎしりをする競合会社を目当てに、数々の倉庫用ロボットが開発されている。アメリカでは、倉庫作業員の賃金が値上がりする可能性があり、コスト削減、スピードアップ、正確さの向上といった面から、各社はすでに少なくともロボット導入のパイロット・プログラムを行っているという。
さて、同期時で言及されている配送センター用ロボットは以下だ。
ローカス・ロボティクス社は、ロジスティクス会社のクワイエット・ロジスティクス社のスピンオフで、主に衣類の出荷を行っている。もともとは、キヴァ・システムズ社の技術に基づいたソフトウェアを開発していたが、アマゾンの買収でこれがぶっ飛んだ。代わりに自社で開発したのが、下のようなロボットだ。
ピック作業員の元まで走行していき、作業員はこのロボットで商品をスキャンした後に、行き先を指定する。
ご存知、フェッチ・ロボティクス社も配送センター用ロボットを開発してきたが、従来の製品フライトを棚型に改造したものもある。
屋外の鉢植え移動専門のロボットを開発していたハーベスト・オートメーション社は、配送センター用ロボット開発を過去1年半続けて来たが、さる5月に同部門をスタートアップのネクストシフト・ロボティクス社に売却したという。後者のサイトにはあまり詳細は載っていないが、写真は以下。
ドイツでは、マガジーノ社がトールという名前のこんなロボットを開発中。
同社は、アーム付きのロボットも開発中のようだ。
この記事では、キヴァ・システムズ社出身者らが創設した6リバー・システムズ社についても触れている。同社はまだ製品を発表していない。
この記事とは別に、ロボニュースはヨーロッパでやはり同じようなシステムをいくつか目にした。改めてご紹介したい。