カテゴリー: ニュース
2014/01/05
Categories:
ニュース •
ロボット研究
カリフォルニアのNASAエイムズ・リサーチセンターが、衝撃を吸収するテンセグリティー構造のローバーを構想している。『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』が伝えている。
それによると、このローバーは何本かのバーがケーブルで結ばれた構造体。つぶれたり、また元に戻ったりするしくみを利用して、最大高度97キロからの落下にも耐え、目的地に移動していくことができる。中核部分に観察のための機器を統合すれば、衝撃による損傷も受けないという。

構造全体の伸縮を繰り返しながら移動するスーパーボール・ボット(http://www.ibtimes.com/より)
同リサーチセンターは、テンセグリティー構造のロボットはこれからの惑星探索にはなくてはならない技術と見ているという。テンセグリティー構造は、圧縮する力が張力とのバランスを保ち、構造全体で負荷を分散する。軽量で平たくなるため、輸送にも最適という。
論文はここに。
下は、『IEEEスペクトラム』のビデオ。
2014/01/04
シリコンバレーにあるトランスクリプティック社は、グーグルの投資部門グーグル・ベンチャーズが120万ドルを投資するスタートアップだ。これまで内情が公開されなかった同社を、『ザ・ヴァージ』が取材している。
同社は、生命科学研究をもっと安くスピーディーにすることを目標に掲げ、ロボットを用いた実験の自動化を請け負っている。提供するサービスは、細胞クローニング、ジェノタイピング(遺伝子型決定)、バイオバンキング(ヒト試料、医療情報の収集)に関連するもので、2013年初めから注文を受け始めている。
現在の顧客はスタンフォード大学、カリフォルニア工科大学、シカゴ大学などだが、現在顧客数が毎月倍増するほどビジネスが拡大しているという。現在実験過程をアウトソースされているような外部請負会社も、潜在的顧客と目論んでいるようだ。

トランスクリプティック社で用いられているロボットアーム(http://www.theverge.com/より)
続きを読む
2014/01/04
Categories:
ニュース •
ロボット会社
ドイツのクカ・ロボティクス社が先月半ば、同じくドイツを本拠とするライス・ロボティクス社の株式51%を買い上げることで合意した。『ロボハブ』が伝えている。今後完全買収の可能性もあるという。

ライス・ロボティクス社は、57年の歴史を持つ未公開企業。ロボット製造やシステム・インテグレーターとして知られ、年間売上は1億300万ユーロ。ドイツ国内に1300人、第二拠点の中国に200人の従業員を抱える。中国の拠点は、クカ社の上海の製造拠点に近いという。
クカ社のプレスリリースによると、同社は一般的な産業と中国市場への進出を狙って、今回の合意に至ったとのこと。
2014/01/03
Categories:
ニュース •
ロボット会社
ユーモラスなテレプレゼンス・ロボット、QBロボットで同市場にいち早く乗り出していたエニーボッツ社が、電話会議やビデオ会議機器システムで知られるポリコム社と提携して、新しいテレプレゼンス・ロボット、Q(X)を発表した。『ユーバーギズモ』が伝えている。

エニーボッツ社のテレプレゼンス・ロボットは板型(http://spectrum.ieee.org/より)
Q(X)は、テレプレゼンス・ロボットとは言え、板にモニターとカメラ、車輪がついたようなあっさりとした形状。ディスプレイが異なる3モデルがあるらしく、横型ディスプレイが上下に2つ付いたもの、1つのもの、そして縦型ディスプレイが1つついたものだ。カメラは720ピクセルと1080ピクセルのいずれかをスイッチ1つで選べる。
本体には、ポリコン社製のマイクロフォンが取り付けられ、障害物を避けるためのレーザー・スキャナーLIDAR、センサー、下向きのカメラもある。操作はブラウザーから行うという。多少デコボコの平面でも走行可能で、最高速度は時速5キロ。
2014/01/03
Categories:
ニュース •
ロボット研究 •
家庭用ロボット
メリーランド大学機械エンジニアリング学部教授のサタンドラ・K・グプタ氏が、家事ロボットが実用化されるための条件を考察、『IEEEスペクトラム』に寄稿している。
同氏によると、家事ロボットは以下の3つに分類される。
(1)退屈で単純な家事作業を行うロボット
(2)家庭において新しい役割を担うロボット(教育、エンターテインメント、コンパニオンシップ/付き添い)
(3)介護施設やコミュニティーで使われるロボット
ロボットがやる作業は掃除、洗濯、皿洗い、トイレ掃除、家具組み立て、電話の応答など多岐にわたると想定。ただし芝刈りなど屋外での作業や、ペットや子供の世話などは考慮していないという。

カールスルーエ工科大学の家事ロボット、アルマー(http://spectrum.ieee.org/より)
続きを読む
2013/12/31
2013年最大のロボット・イベントだったDARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)予選が終わって10日。
考えれば考えるほどに、ずいぶんシュールなできごとだったと感じてならない。15のロボットが同時進行して、人間がやるような8つのタスクに懸命に取り組んでいる。アトラスを始め、精巧に作られたああしたロボットを1体見るだけでも感動のはずだが、それが予備分も含めて20体以上も結集し、それぞれのハードウェア、ソフトウェア、そして人間オペレーターの能力の限りを尽くしている。
こんなイベントに立ち会えたことは非常に幸運だったし、ロボットに対する認識がまったく新しいレベルへシフトしたようにも感じた機会だった。
自走車開発を促進するためのDARPAグランド・チャレンジが最初に開かれた2004年、150マイル(約240キロ)の全コースを完走した車はなかったが、9年後の現在、自走車の実用化はもう数年先に迫っている。 同じように、あと数年もすれば、ロボットたちは今回のようなタスクをスムーズにこなすようになって、さらに高度なタスクへも取り組んでいるはずだ。本当にロボットたちが身の回りに増え、必要とあらば人々を助けに出てくるのだ、という感慨を強くした。
日本人ロボット関係者はどう見た?
さて、DRC会場で何人かの日本人ロボット開発者にコメントをもらっていたので紹介しておきたい。会場には、日本の大学や企業からロボット研究者、開発者も多く訪れていた。ほとんどが経済産業省と米国国防省の間で合意された『人道支援と災害復旧に関するロボットの日米共同研究』に関連した視察だったようだ。
続きを読む
2013/12/21
DARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)は、2日目もハードなスケジュールが終日続いた。17チームのうち、参加できなかった中国チーム、インテリジェント・パイオニアと、ロボットの調子が悪いカイロス・オートノミーを除いた15チームが、残りのタスクを30分ごとにこなしていった。

タータン・レスキューのロボット、チンプが「ドアを開く」のタスク中
続きを読む
2013/12/20
DARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)第1日は、午前7時からの開会式でオープンした。
かつての飛行機技術と同じように、ロボットも今は未熟な技術に見えるかもしれないが、「これは新しい時代の始まりだ」というDARPAプログラム・マネージャー、ギル・プラット氏のことばに、参加者は大いに鼓舞されたようだった。

開会式の様子。左から2番目は、DARPAディレクターのアラティ・プラバカー氏,3番目はギル・プラット氏

開会式に参加するチーム・メンバーと関係者たち
続きを読む
2013/12/19
12月20〜21日にマイアミで開かれるDARPAロボティクス・チャレンジは、ユーチューブのDARPA TVでもストリーミングされる予定。マイアミ時間午前8時から午後6時までの間、ぜひアクセスしていただきたい。詳しい時間割はここに。
2013/12/19
ロボニュースもDARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)を取材するために、マイアミにやってきた。本日は、メディア向けのブリーフィングに参加。
会場となっているホームステッド・スピードウェイは、いつもはカーレースが開かれる場所。そのトラック上に、8つのタスクのための建て込みが作られ、最終的な仕上げが行われている最中だった。

タスク用ブースの仕上げが進むホームステッド・スピードウェイの会場
続きを読む